FRP連続分解装置
FRP連続分解装置Ⅰ
以下にTASCに基づくFRP連続処理装置Ⅰを示す。
処理装置の中央には電気炉があり、その両側にはFRPを積んだトレイがチェーン上を移動する方式である。電気炉には入口側と出口側に扉があり、左より触媒担持ハニカムでサンドイッチされたFRPを搭載したトレイが来ると、入口の扉が開き、300 °Cに予備加熱された炉内へと搬送される。その後、扉が閉まり、炉内は500 °Cに加温されFRPの分解が始まる。処理時間はおおむね10-15分である。処理が終わると炉内温度は300 °Cに下げられ、その後、出口側の扉からトレイが出てくる。電気炉の下にはコンプレッサーがあり、炉内に所定量の空気が導入される。さらに、電気炉の上部には排出ダクトがあり、ガスは装置の背面に位置するVOC (volatile organic compound) 浄化装置(後述)で水と炭酸ガスに完全分解される。本装置は本来、トンネル型の分解装置の試作機として設計されたもので、電気炉の温度を500 °Cに保持する時間はFRPが500 °Cのトンネル炉内を通過する時間、つまりトンネルの長さに相当する。本処理できるFRPの大きさは、基本的には電気炉の大きさで決まる。本装置では100×100×3 mm程度である。
FRP連続処理装置II
この度、高砂工業株式会社との共同開発で”本格的”なトンネル型のFRP連続処理装置IIを完成しました。下図は装置の概念図です。
ローラー・ハース・キルン方式のトンネル炉の入口に廃FRPを投入し、炉内でTASC法によるポリマー・マトリックスの完全除去処理を連続的に行う。出口ではカーボン・ファイバー、あるいはグラス・ファイバーの織布を回収する。排熱は回収され、入口に戻される。また、新鮮な空気の打ち込み口も備えている。
FRP連続処理装置IIの試作機
(概念図と少し異なる箇所があります)
トンネルの間口は幅200mm、高さ150mmで、この程度の大きさの廃FRP、あるいはモールド・モーター等を連続処理できる。500°Cの温度帯域は約1mで、廃FRPの搬送速度は100mm/minである。温度ならびに搬送速度は可変である。